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早期退職を考える人たちへ
早期退職が盛んな日本の製造業。去るか、残るか悩んでいる人たちへの参考として私の経験を伝えます。 左下「カテゴリ」を目次代わりにしています。
引き手金具職人の仕事場①
 職人さん訪問記の二回目は、襖や引き戸に使われている「引き手金具」
の職人さん、堀内宏さんの仕事場です。和室が少なくなり引き手金具を
目にする機会も減ってきていると思いますが、引き合いに出すのも申し
わけないですが居酒屋の座敷の引き戸や旅館などに行った際にお世話に
なっています。

堀内さんが扱っている「引き手金具」はこれらとはまるで別物、別格で
す。十年ほど前に建て直された奈良、薬師寺の襖引き手。まもなく落成
する新歌舞伎座の貴賓室の引き手などはいずれも堀口さんの作品だそう
です。見学の記念にと薬師寺用に製作された引き手のミニチュア版をお
土産に頂いてしまいました。もちろんこれも堀口さんの手作り品です。

まず驚いたのはこの引き手には「大、中、小」の3つのサイズがあると
いうことでした。職場に行くと周囲の壁に様々な作品や引き手、取っ手
が展示されています。もちろん私のような見学者向けに準備されている
ものですが、あまりにも様々な形、様々な手法が用いられているという
ことに驚かされます。話を聞き始める前から質問攻めにしてしまいまし
た。

引き手には「大、中、小」があるのは、襖は大、天井と鴨居(襖の上の
梁)の間に設けられた天袋に用いるのが中、書院造りに代表される違い
棚の下などに設けられる地袋に用いるのが小だそうです。同じデザイン
で3種類の大きさが用意されてます。

成形に用いられる技法は実に様々ありましたが、堀口さんが行っている
のは「折縁(おりぶち)」と呼ばれる手法でした。材料は主に厚さ0.8
mm真鍮が用いられています。

まず型を用意します。厚さ10mm程の鉄の型です。ちょうど一枚の厚い板
から引き手の形を糸鋸で切り出したように雄、雌の組み合わせになって
いて、その隙間がちょうど材料の厚さ0.8mmになっています。雄型と雌
型の合わせには傾斜が設けられていて、嵌め合わせや、型からの取り出
しに配慮してあります。また雌型の外形はくり抜かれた穴より一回り大
きな形をしており、変形したドーナツになっています。このドーナツの
幅が引き手の縁(フランジ部)の幅になる訳です。

材料を雄型の外周と同じ長さの短冊に切ります。短冊の幅は型の厚さよ
り5mmほど広くしてあります。これは後で引き手の縁周りになる部分で
す。短冊の両端を銀でロウ付けし、輪にします。これを雄型の外側に木
槌で叩きながら嵌めこんでゆきます。そしてさらに雌型に嵌めこみます。
その上で型の厚さからはみ出した部分を外側に広げ、縁にします。

縁付きの枠形状ができたら型から外します。まず雄型を裏から叩いて抜
き、その雄型を使ってこんどは材料を雌型から型から外します。そして
取り出した枠の底の側になる部分を数箇所叩いて、底板を取り付ける為
の爪を作ります。これで引き手の枠が形づくられました。

ロウ付けされた短冊の輪と雄型の周囲の寸法をぴったりあわせることは
まず無理です。そこで短冊側をわずかに短くし、雄型に嵌める際の叩き
具合で素材を微妙に伸ばしながら密着させているように思えます。雄型
と材料の間に隙間ができてしまっては、こんどは雌型に嵌めることがで
きません。微妙な力加減で材料を変形させ型に嵌め込んでゆく。ここが
第一関門です。

第二関門は鑢がけです。様々な目の鑢を使って形と表面を整えてゆきま
す。折り曲げた縁の内側の角は直角になっておらず丸みをもっています。
鑢で素材を削りこみ直角にすることでキレのある形になってゆきます。
これは丁度アップルのiMacが採用しているデザインと共通するものがあ
ります。ひょっとすると堀口さんの引き手がヒントになっているのかも
しれません。

鑢がけ後、鑢目を消すためにキサゲで表面を削いでゆき、さらに朴でで
きた炭で磨き込んでゆきます。この磨き次第で仕上がりの表情が決まり
ます。普通の楢や樫の炭では硬すぎて傷が残ってしまうのだそうです。
丹念に、斑なく。根気のいる作業です。これが第三関門でしょう。

次は色づけですが、これはまた次回ご紹介します。

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