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早期退職を考える人たちへ
早期退職が盛んな日本の製造業。去るか、残るか悩んでいる人たちへの参考として私の経験を伝えます。 左下「カテゴリ」を目次代わりにしています。
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木工家デビュー?
 狭い机の上を使いやすくするため、パソコンのキーボードをモニター
の下にしまえる台を作り使っていました。市販でも様々な仕様のものが
ありますが、木工を趣味にしていたので自作しました。

材料は娘の部屋をフローリングに改装したときに購入した楓(メイプル)
の無垢材です。厚さは15㎜あってしっかりしたものに仕上がりました。
使ってみると、楓材の明るい色や木目が目に優しく無機質なパソコンの
周囲が柔らかさを持ち、使っていて心地よいようになりました。

これをさらに二つ作り売りに出したところ、なんと二つとも売れました。
自分の作品が買ってもらえる。これはうれしいです。金額的には確かに
わずかなものですが、その何倍もの喜びがあります。

10年ほど前になりますが、会社が早期退職の募集を本格化させた時期に
早く辞めて東急ハンズの店員になりたいと思った時期があります。東急
ハンズは木工を趣味にする私にとって最高の職場です。木工といっても
製作に必要なものは木材と刃物だけではありません。

カウンター下に取り付けた棚にはガラス引き戸が必要ですし、ガラスに
模様をつけようとするとサンドブラスト、トールペイント。木材の表面
処理には砥の粉、オイルステイン、ニスやオイルも必要です。塗装に対
する知識も求められます。

椅子を作れば革張りにしたくなります。背もたれに革編みを使ってみた
くもなります。自分で作ろうとするとどんどんその範囲が広がってゆき
ます。

東急ハンズでアルバイトとして採用してもらうため、DIYアドバイザー
の資格もその当時補助金をもらいながら通信教育で取得しました。

これまで家庭内の使い勝手を良くするための趣味でした。娘の本棚とか
カウンター下の吊ガラス戸棚。夏休みの自由研究としてのドールハウス
や太陽を中心に地球が自転公転し周囲を月が回る三球儀、ちいさいもの
ではすわりの悪い食器をきれいに収める台やCD、DVD収納抽斗などです。

でも今回、その中から商品が生まれました。とりあえず買って頂けたの
です。これはうれしい。

いま自宅でも使いたくなる機器を10種類ほど挙げ、その設計と製作準備
を始めました。なんかわくわくします。

家の内装に手を加えるにはどうしても屋内配線が必要です。壁に埋め込
み、写真や絵、置物などを飾る棚の「ニッチ」を作るにしても照明用壁内
配線が必要です。このような屋内配線には第二種電気工事士資格が必要
です。いま、職業訓練校の格安の講座に参加し猛勉強中です。

人に雇われない人生が実現できたらなあと夢を見ています。


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ゴキブリ黒字
 5月9日、ソニーの2012年度決算報告がありました。新聞に大きな見出
しで「ソニー五期ぶり黒字」とあり、声を出して読んだところ、え?、
ゴキブリ?と思わず笑ってしまいました。確かにゴキブリは黒いなあと。

地球最後の日が来て人類が死滅してもゴキブリだけは生き残ると聞いた
ことがありました。ソニーはゴキブリになって生き残るのかも知れない
と思ってしまったためです。

この新聞は読売です。読売はソニーに対していつも辛口な表現を用いた
記事を書きます。理由は判っています。ソニーは読売に広告を出さない
からです。広告を載せる日経や朝日は同情的な記事になります。大切な
スポンサーの悪口は書けませんから。

余談ですが企業が新聞広告を出す際の判断基準に、その新聞の購読者層
があります。どのような人が読んでいるのか。会社役員か、ビジネスマ
ンか、大学関係者か、自営業か等々。購読者の所得層も把握しています。
ソニーは読売新聞を「労働者階級の新聞」と位置付けているようです。
知的階級の人たちが読むのは日本経済新聞と朝日新聞だと。

読売新聞の記者もデスクも「五期ぶり」と書いた時点で「ゴキブリ」が
浮かんだはずです。それでもあえて一面に三段抜きの見出し。これは明
らかに確信犯でしょう。

それはともかく2012年度は430億円もの黒字を出しました。営業利益は
2300億円です。円安の効果があったとしても私の予想をはるかに超えま
した。よく頑張ったものだ、と思ったのも束の間でした。

報告書にも記載がありましたが、利益を押し上げた理由として

①ソニーエリクソンの完全子会社化による繰入 1023億円
②子会社「エムスリー」売却益 1222億円
③ソニーアメリカ本社ビル売却益 655億円
④ソニーシティー大崎ビル売却益 423億円
⑤液晶部門のジャパンディスプレイへの売却益 91億円

が挙げられています。ここまでで3414億円です。

また売り上げも3000億円増えていますが、これもソニーエリクソン社の
子会社化で繰り込まれた額そのものだそうです。2011年度も同じ条件だ
とすると売り上げは実は-2%、1200億円くらい減っているんだと。

なんだ、そうだったのか。二度と使えない方法を駆使しての決算でした。
ゴキブリ黒字と書いた読売の意図はそこにあったのか。

本業(だった?)エレキは1345億円の赤字でした。このために関連役員は
全員賞与を返還させられました。

また来期の見込みも発表されています。

ビデオカメラ 370→ 300万台(-19%)
デジタルカメラ 1700→1350万台(-20%)
パソコン 760→ 750万台(- 1%)
液晶テレビ 1350→1600万台(+19%)
スマートフォン 3300→4200万台(+27%)
ブルーレイ 630→ -万台(表記なし)やめるのか
ゲーム(据置) 1650→1000万台(-39%)
ゲーム(携帯)  700→ 500万台(-29%)
ゲーム(ソフト)2660→3190億円(+20%)

これでエレキは大幅な増収、増益を見込んでいます。グループ全体とし
ては7000億円の増加です。とても楽観的ですね。台数が減っても売上げ
も利益も上がる。それは高くて儲かる商品ばかりが売れることを意味し
ています。なんと楽観的な会社でしょう。

ゴキ楽観的というんでしょうか。

ただこの決算で利益が計上できたことで、2013年度もリストラ費用とし
て500億円が準備されたことはよかったです。エレキを中心に人員削減
するとしています。さてこの500億円で何人を処理するのでしょうか。
でも整理解雇はいったん回避されたんではないでしょうか。

どのような理由にせよ「ゴキブリ黒字」が出たわけですから。


役員賞与全額返上
 先日の新聞にソニーの全役員の賞与を全額返上するとの記事が載って
いました。驚きました。ソニーは羅針盤だけでなく操船技術さえも失っ
てしまったのかと。

私の在籍中、いい仕事をしたと評価された人には多くの金銭を支給して
その業績に報いる制度をとっていました。いい仕事というのは年度ごと
に上司に申告した「約束」が達成できたか否かで判断されることになっ
ていました。コミットアンドコンペンセーションといって、約束に対し
それに報いるという意味です。

どこの会社でも期首に年度の計画を立てて仕事を進めてゆくと思います。
今年はここまで頑張ってみよう。リスクもあるが可能性は高い。などと
いった計画です。これは主に上級管理職、事業を統括する本部長とか事
業部長部長級の人たちに課せられた責任です。それを部長級、課長級の
人達が分担し、個々の従業員に個別の目標を立てさせるわけです。

期首に設けた目標との比較で評価する仕組みです。うまくいった部署や
個々の従業員に対し「たいへんよくできました」にはA評価を。「もう
すこしがんばりましょう」にはC評価などをつけて報酬に差をもたせる
仕組みを運用していました。

かつて富士通がこの方式を採り、全員が低い目標を設定したことに上司
が気付かず全員超A評価にせざるを得なくなり破綻した話をきいたこと
があります。

今回の一律返上はひどいですね。業績報告を見なければわかりませんが
エレキが赤字なのは、まあ当然として一律はないでしょう。それぞれの
事業部門が掲げていた目標との比較評価はどうなったのでしょうか。

ソニーに役員ごとの責任範囲、業務分掌はないのでしょうか。エレキだ
けでも多岐にわたり数兆円を商う商売です。うまくいっている分野もあ
れば、昨日の雨でできた水溜まりや去年の洪水で流されてしまった湖に
糸を垂れ、魚を釣ろうとしている部署もあります。

水たまりに糸を垂れろと指示したのはだれですか。

テレビ事業が大赤字だからといって、黒字化は来年3月決算での予定だ
ったのではなかったかと思います。12年度が赤字だっていいじゃないで
すか。13年度に向けた本来の作戦が進んでいるのであれば。

今まで4期にわたる赤字続きにも拘わらず会長に10億円近い報酬を払い
続けてきたソニー。これからはエレキが黒字にならないかぎりエレキの
役員には賞与を払わないんですか。

一律評価ほどモチベーション、やる気を削ぐ管理手法はありません。大
勢がひとつになて事に向かう能動的な組織に於いてリスクに挑戦する人
を失ってゆきます。なにか失敗したら全員に迷惑がかかる。そう責任を
負わせられると「自由闊達」が失われてしまいます。

失敗を恐れず挑戦し続ける団体であってほしい。そう思います。

組織に於ける評価基準はそこから得る所得で生活する人たちのモチベー
ションの要です。がんばって、大きな仕事を任せられるに従い所得が下
がる会社で頑張る人たちがいるでしょうか。

どこを目指しているかの羅針盤を失った上に、多くの船員を乗せたまま
操船方法すら見失ってしまいました。漂流です。

速報では円安とソニーシティー大崎、そしてアメリカ本社ビルの売却で
グループ利益は200億円上積みの400億円になったそうです。ハワードや
中鉢氏の解任、役員賞与返上と、二度と使えない手法の結果で400億円
です。

自由闊達を取り戻さない限りエレクトロニクスでの「ソニー」は存続で
きません。かつてこのままでは「ソニー電気産業株式会社」として普通
の製品を他社とどっこいの価格で売り、生きながらえることしかできな
くなると思っていた時期もありました。でもあの「松下電器産業」です
ら再建に喘いでいます。

さんざん書いてきましたが、いまの家電業界は縮小の一途を辿っていま
す。国内で辛うじて残っているソニー、パナソニック、シャープの3社
は今後の方向性を模索しています。

パナソニックは「脱テレビビジネス」を打ち出し自動車、住宅など店頭
での家電製品販売から大きく舵を切りました。これはパナソニック、以
前のナショナル(松下電器産業)の商売のスタンスをガラ変させるもの
です。国内では大規模タワーマンションの中はすべてパナソニックです。
玄関のピンポンから、IHキッチン、ベランダのないタワーだからこその
ビルトインエアコン、室内ネットワークなど。マンションのゼネコンが
一本電話すれば数百戸の受注が可能になる商売です。

かつて「ナショナルショップ」と呼ばれ最盛期には5万店を超える店舗
数を抱えた街の電気屋さん。もれなく皆さんの街にもあったと思います。
その商売と決別したわけです。販売店が5万店あるということは新商品
の納入先が5万店あるということで、どんな商品であれ5万個を見込ん
だ生産方法と生産原価が保障されていた商売です。量販店の台頭と共に
今まで協力してくれていたフランチャイズのナショナルショップの閉店
が多くを占めるようになったことも方針転換のトリガーになったはずで
す。ナショナルショップからゼネコンへ。

平井一夫社長、出井さんに学びできることを始めないと。出井氏はデジ
タルドリームキッズを標榜しながら何をしたらいいかわからなかった。
でも金融には知見があり、いまはグループの芯柱になっています。
13年度のエレキが赤字なら当然役員報酬は返上ですよね。

魚の居場所がわからないと漁師はできません。




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